極み塩ラーメンをめざして@自宅
え〜〜、お世話になっておりますm(__)m
なんのイベントも感慨もないGWも後半戦、アップする頃にはもしかして終わっているかもしれませんが………
今回タイトルのようなラーメンに挑んでみました
材料や手間、調理時間が半端でないですし、作る過程で本当に大丈夫か不安になることもありましたし、失敗したらアップは出来ないなあと相当なプレッシャーはありましたが、結論から申しますとまずは成功裏に終わりましたので掲載させていただきます
最近温め続けてきたアイデアがありました、タイトルのものです
いくつかの巡り合わせや思いつきの結晶、アイデアとプロセスは何もパクらない完全オリジナルですが、その後色々ネット見てたら同じようなラーメンを既に作っている店はあるのですね(そらそうだわな)
この世にないラーメンを生み出すのは至難だと改めて思いました
早速ラーメンに移りますが、今回は寄り道(作成上の)もあり、たぶんいつにも増して長いです(すいませんm(__)m)
まずはコンセプト、目指すラーメン像からいきましょうか
コンセプト:濁り(豚骨、鶏白湯)に頼らずに旨味が超絶凝縮している塩ラーメン、澄んでいるのにあっさり淡白に流れないラーメン
です
そして出会いとアイデアの正体がこちら
その1
小鯛の煮干です
これまで片口鰯やアゴの焼干が登場してきましたが、購入した築地(場外)の寿屋商店さん
こちらは江戸時代から続く煮干のプロ中のプロ
そこには様々な煮干が置かれています
鯛は深みのある出汁が取れるとのことで、そもそもこれを使った塩ラーメンを作ろうと思い立ったわけ
その2
スルメイカです(ネットで購入)
何かで見たのか、思い浮かんだのか忘れましたが、スルメイカを出汁に使ったら面白いのではないか
調べたらそういうラーメンを作っている店も存在するようです
それと、寿屋商店さんでこちらにも興味が湧き購入しました
のどくろの煮干です、フキなど野趣溢れる食材に合うとのこと
まあそんなこんなでしたが、今回、ゼロからスタートするつもりで出汁の味、特性をきちんと把握することにしました
ワインでもなんでもそうですが、教科書的な知識が先行し、自分の舌で理解しないでわかった気になっていることは多いものです
何故この材料を使う必要があるのか、どのように使ったら最適の形になるのか、惰性でやっているこの作り方は本当に正しいのか、そんなところを改めて丁寧に検証することが自分の味を作り出すことに繋がるのだと思います
そんな訳でこちら(?)
左上から時計まわりに、スルメ、鯛煮干、のどくろ煮干、片口鰯煮干、アゴ焼干、貝柱(イタヤ貝)、利尻昆布、羅臼昆布
こちらをまずは水だし1時間
この段階でアゴ、鯛、スルメは薄っすら黄色がかってきますね
出汁として強く味が出ているのは、羅臼、鯛、そしてスルメです
これをおのおのの特性に合った時間で加熱
こちらです
まず羅臼(左上)と利尻(その右)の違い
教科書通り羅臼の方がうっすら色が出ています、利尻はほぼ透明
羅臼はいわゆる昆布の旨味がわかり易く出ています、対して利尻はすっきり深く出汁が出ています
利尻は例えていうなら、深度はあるけど透明なので10メートル下の湖底が見通せる湖のようなイメージ
ちなみに日高を出汁に使うことは少ないとされますが、こちらは佃煮や昆布巻のような食用に適しているからとのこと、なるほど……
貝柱は以前も述べましたようにわかり易い旨味、塩ラーメンですと旨味の根底に据える価値があると思います
そしてスルメ(真ん中)
一層濁った濃い色を出していますね
味は「スルメっ」、天日干しの旨味が凝縮されていますがクセモノ(ある種ニョクマムみたいなニュアンス)、隠し味に使うのが良さそうです
鯛(中段右端)
お店では「旨味が深い」と聞いていましたが、鯛茶漬けのようなあの「鯛の旨味」、かなり強い旨味です
片口鰯(下段左端)
こらはもう「ザ・煮干」、あまり説明はいらないと思います(今回は不使用)
アゴ焼干(下段中央)
こちらも上品な旨味と説明されていますが、焼いているだけあって慎ましいパンチがあります
今回いわゆる煮干は使わないことにしていましたが、アゴはスープを壊さないと判断し使用することにしました
のどくろ煮干(下段右端)
水だしのときは苦味も感じられましたが、火を通すと甘みが……
片口鰯とも鯛とも違った個性で、スープに優しさを与えてくれそうです
個々の特徴を把握し、今回は鯛煮干、のどくろ煮干、アゴ焼干、貝柱、スルメイカ、羅臼昆布、利尻昆布を使用することに決定
自己主張の強い片口鰯、節系(鯖、宗田鰹)にはご遠慮いただきます
実験のイメージに沿って配合
水だしで一昼夜放置
魚介だしの下準備が終わったところで、次は香味油
じつは今回、香味油がかなりのキーパーソンになると読んでいるのです
基本あっさりに流れやすい塩ラーメンですので、旨味と濃厚さを強調させる重要な役どころ
今回は旨味の強い鯛と貝柱、そして葱を使います
油は多め
常温から極弱火で加熱、焦げずにかつ狐色になるまで旨味を抽出します
これで完成
塩ラーメンと言えば塩だれも重要です
寝かせてカドを取る必要がありますので前日以前(可能なら3日前くらい)に作っておくものです
青ヶ島の「ひんぎゃの塩」、羅臼昆布、酒、味醂
中強火で沸騰させアルコールを飛ばしてから、弱火で3分程度煮詰めます
完成
ついでにメンマ
前回作ったのはとうに無くなっているので再度作成
源豊行(中華街)の塩漬け1キロを購入
塩抜き10時間、先程の実験(?)に使った魚介出汁をぜんぶブレンドし、薄口醤油、味醂で煮たもの
塩スープを壊さないメンマにします
甘辛メンマも作成
いずれにしても1キロは多過ぎですわ、桃屋のメンマの10瓶分ですから(笑)
おじさまのとこに来られた親戚の方に無理やりプレゼントしてしまいました………
ここで愈々鶏スープ作成に取り掛かります
今回は専ら魚介を突き詰めようとしていますが、ラーメンならば豚か鶏(場合によっては牛)のスープは外せないでしょう、極力妥協なく行きたいと思います(ガラや丸鶏のブランド指定まではやってないんですけどね、さすがに……)
まずは鶏ガラ、今回は4羽使用
下処理完了
圧力2時間
これも味確認(普段は怠りがち)、うん、確かにダシが出ている、納得
丸鶏は国産親鶏を使用
ハナマサの冷凍物です
若鶏より親鶏の方が出汁が強いと言われていますから(いずれ要検証)好都合、ブランドでどれだけ出汁として違ってくるかは現段階では不明
さらに前回の複合アゴ出汁ラーメン同様にモモ肉も加えます
今回は大山どり(鳥取)と伊達鶏(福島)
あと、なんとなく挽肉(もちろん鶏)も使ってみました、思いつきです
チャーシュー用に巻きます
香味野菜はこちら
普段あまり使わない玉葱を使用、あと人参、葱は定番、生姜は強調しない程度、にんにくは今回は不使用
寸胴に鶏ガラスープを空け、そこに先ほどの材料をセット
水を加えます
あまり後から水を足したくないので、丸鶏がかぶるプラスアルファの量(ガラスープと合わせて8リットルくらい)を入れたのですが、ここが後々不安に繋がっていきました
というのも、豚骨なんかと違ってグラグラ煮たせないので(後述)、想定ほど蒸発しないのです
蒸発しなければ当然スープは薄くなりますし、と言って煮出し時間には旬がありますから、長時間煮ればいいという訳ではないんです
スープは煮立たせないで100度未満で濁らさず抽出するようにします
これくらい
色々ありますがチャーシューとしての旨味も必要なモモ肉さんは2時間でトンズラ(トリなのに)
チャーシューゆき
いつもみたいに醤油たれでいいか悩みましたが、まあいいでしょう(結果的にこれで大丈夫でした、ラーメンとして)
当初3時間の予定でしたが、前述のような理由で結局4時間半でここまで煮込みました、これで鶏スープ完成〜
前日から浸けてある魚介さんはこちら
なんか皆さん巨大化してません?
こちらを合体っ!
加熱の間だけ中火で、その後は再び弱火
昆布は30分で引き上げ、ここでも当初は計1時間の予定でしたが結局2時間
これで漸くスープ完成であります
こちら
本当はまだもう半鍋くらいあります
スープは結局20杯分近く出来てしまいました、もっと少なくて良かったんだけど………
ちょっと脱線……
鶏白湯とかですと材料さんは見る影もなくペーストになってしまいますが、今回は原形は無事
どうしましょ?
とりあえず丸鶏ほぐしてみました
基本味ない、ちょっとだけあるかな?
玉葱と一緒にコドモに食わせてしまいました(笑)
カレーはレトルトです、まだ余った肉はマヨネーズ黒胡椒和えにでもしてみるかな
兎にも角にもスープも出来上がり、遂に当日を迎えました
午前中に麺作成
今回も北海道産小麦「春よ恋」、300グラム
滑らかな細麺を目指します、前回以上に
なので加水40%、つけ麺でないラーメンではかなり高い方だと思います
塩は2%の6グラム、かん水は3グラムです、くちなしパウダーはなし
水まわし、手ごねのあと踏み込み15分
切り分け打ち粉
通常使用のプラ製麺機「うまくてご麺」では細麺に対応出来ませんのでパスタマシンを使用
ブログ初登場ですが、豚骨ラーメン用などに昨年から活躍しています
延ばしは10段階の7(厚い方から)、切り刃は別購入の1mm
これで細麺にしていきます
麺完成〜〜
2玉で一食分くらいですね
これで各パーツが完了しました、最終調理へ
鶏チャーシュー再登場
端っこつまみ食いしましたが激ウマっ!
鶏が良いんでしょうね、弱火だったのも大きいのかもしれませんが
スープはタレとの配合量を試験した上で小鍋で加熱、沸騰はさせません
香味油も再登場
完成当初は白濁していましたが綺麗な褐色に
温めた丼に用意しておきます
これでレンゲ1杯半、結構多いように見えますが、スープを際立たせるにはこれくらいが標準(慣れるとわかります)、パンチだけ出て違和感はまったく残りません
スープを丼に注いでから麺茹で
細麺なので50秒から1分
麺を上げ、具を盛りつけたら完成〜〜〜
完成〜〜〜!!!
鶏チャーシューにメンマ、そして水菜、葱のかわりに水菜の芯、あとは柚子
基本麺とスープに集中し、ゴタゴタさせないために敢えて大好きな味玉はなし
さてさて、それでは頂いてみましょう、緊張〜〜(ほんとは試食で確認済みですけど)
まずはスープを
透明で香味油の輝いたスープですね
色々心配でしたが旨味は充分出ています!
渾然となっていますが、魚介の旨味として残るのは鯛、そして気持ちアクセントはスルメかな?
美味しいです、良かった、ほっとした、これでアップ出来るっ
麺です
目的に沿った麺になりました、これまで作ってきたものとは異なるもの
いわゆる歯応えやコシより滑らかさを強調した麺、もちろんダレてはいませんよ
おこがましい言い方をしてしまうと、支那そばやみたいなあの感じに仕上がりました
これはむかし醤油ラーメンにも使えると思います♪
先ほども褒めた(自分でな)鶏チャーシューは丼の中でもラーメンにマッチ、あっさりに傾きがちな中で濃厚さを出すのに一役かってます
それと柚子は外せませんね、この香り、味は確実に塩ラーメンをグレードアップさせます
いやいや美味しかった、美味しく出来てほっとしました、ご馳走さまっ
今回美味しかったですけど、まだまだ美味しく出来ます、魚介は充分だったけど、出来上がり量を減らして鶏はもっと強調したかったかもしれません
このラーメンは思い上がりとか自惚れとかではなく、もはやプロ並みとかそんなんでなく、塩ラーメンとしてはトップクラスを目指さなくてはならないラーメンだと思います
アイデアとか素材のクオリティにおいて、という意味です
そのためにはまだまだ調理の技術アップ、材料のより厳密な配合比率の改善などが必要です
アマチュアだからこそ出来る、経営や客の好みに捉われない、自分が心の底から感動出来るラーメンを目指したいと改めて感じたのであります
毎度ながなが大変すいません、引き続きのご愛顧をお願い申し上げますm(__)m
この記事へのコメント
素材の旨味がダイレクトに出る塩ラーメンを作られてようですが、材料の種類は豊富だし厳選された物をチョイスされたようですね
しかもそれらを丁寧に仕込んでスープを取られ、塩だれと香味湯油も手を掛けたようですね
その結果素晴らしい塩ラーメンが完成しましたね
それから器がまた良いですね~
どこかの有名和食店が出すラーメンってな感じの器で、より一層美味しそうに見えますよ
最後にまだまだ美味しくできる要素があるとの事ですが、びーぽんさんの頭の中では色々な組み立てができているようですね
次回どんな塩ラーメンができるのか楽しみです!
ゴルフや飲みに行かないぶんを全部食いもんにぶっ込んでる感じですね(笑)、下世話な言い方ですいません
ストックが山ほど出来ましたので、当面はこれで醤油ラーメンにしてみたり、鶏ガラスープ顆粒で鶏成分を強化したり、はたまた鍋か出汁にでも使い回していこうかと考えています
改善するならば鶏スープの水分量を抑えより引き立たせること、結果として魚介スープの炊き込み時間を短縮することでしょうかね、なんなら魚介は材料によっては水だしオンリーとか
丼はなんだかわかんないんですが、棚にあったのを引っ張り出してきました……